【プラモ尼崎城、西へ(後編)】

福崎町観光協会が2017年に2,000個を発売した河童のプラモデル。先に結果をいえば6日で完売し大成功を収めたのですが、当の小川さんは「心配で眠れなかった」と苦笑。

それは、一般の人からすれば突然世に放たれたようにしか見えない、ローカルな商品が売れるのかというプレッシャーです。しかし、小川さんはもうひとつのプレッシャーと戦っていました。


世にあふれるご当地キャラクターと言えば、着ぐるみをはじめ、ユーモラスでかわいらしく、丸っこいものばかり。福崎町が河童で打って出ることは決まっていたものの、同じようなスタイルでは埋もれるという危機感がありました。それに、妖怪はもともと暮らしの中で守り伝えるべきことを背負ったキャラクターたちです(全部がそうではありませんが)。畏怖の対象=怖い存在でなければいけないという思いがありました。



そこで、小川さんは得意の造形力をもって「怖い路線」で進めることを決意しますが、「かわいい路線」をイメージしていた庁内では孤独な戦いを強いられることになりました。多くの人の意見を聞いてみんなが納得するものをつくるというのは、物事を進めるひとつの方法で、今日的ではありますが、意見を聞き過ぎた結果、尖っていなければ価値のないものが、丸くなって何でもないものになってしまうこともあり、小川さんはそれをもっとも恐れたのでした。



さて、初回生産分の2,000個を爆発的な勢いで売った背景には、小川さんが築いた全国の造形作家とのつながりがありました。商品を入手した作家たちはその造形に感嘆し、こぞって組み立てて、色を塗ってSNSに投稿したのです。発信力のあるプロが商品を絶賛したら、自分も手に取って確かめたいと思いますよね?


さらにすごかったのは、売れた後です。売れたら増産してもっと売りたいというのが普通の人の心理ですが、プラモデルや玩具メーカーの知人たちが「すぐに増産してはいけない」とアドバイス。2018年春の「天狗」発売まで増産は見送られ、初回より多い3,000個を生産。7月時点で2,500個をうり、のべ販売数は5,500個というヒット商品になりました。



さらに、全国に福崎町の名を伝えようと、妖怪の造形コンテストもスタート。今年で5年目を迎えます。前述の全国レベルの作家たちがこぞって審査員を務めていることでも注目を集め、回を追うごとに応募数が増加しています。さらに、福崎町への来街者を楽しませようと、町の各所に妖怪の像を設置。自撮りをしている鬼や、写真にもある雪女など、一緒に写真を撮って楽しむ工夫が凝らされています。


そんな小川さんからは、プラモ尼崎城へのアドバイスもいただきました。私たちのプロジェクトにどう生かされるかは、そのアイデアが具体的になったときに改めて。



<尼崎城開城まで、あと240日>

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