尼崎商工会議所のご協力で、金型を製造する会社を探していただいています。待っている間、プラモデルという商品を作る人の気持ちに触れたくて一冊の本を手に取りました。田宮俊作さんの「田宮模型の仕事」(文春文庫)です。
元々は木製艦船模型を作っていた会社を父親から引き継ぎ、世界屈指のプラモデルメーカーに成長させた2代目社長の回顧録。みかん箱の上で図面を引いたり、小松崎茂さんに箱絵を描いてもらうために手紙を出したり、ポルシェのプラモデルを作るために実車を買って解体したり(!)と、ひとつの道を追求した人ならではのエピソードが満載です。
その第3章が、金型の話題でした。そう、私たちがいま一番欲しいものです。田宮模型では当初は町工場に外注していたけれど、職人の機嫌を取らないと納期を守ってもらえなかったり、はたまた値段をふっかけられたりと散々だったようです(その後、内製化することでこの問題は克服するのですが)。
現代はさすがにこんなことはないよなと読み進めつつ、まだ叶わない金型屋さんとの出会いに思いを馳せております。(綱)
〈尼崎城開城まで、あと365日〉
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